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看護師が、医師が、泣く。「ひょっとして自分が…」と。休憩もままならない長い勤務が終わり、引継ぎの時間。ふと我に返ったとき、涙がこぼれる。それが皆に伝わる。
1月末から職員と入院患者に新型感染症の陽性が続いた公立藤田総合病院。入退院と新規外来の停止、予約診察も可能な限り電話処方に切り替える。院内に対策本部を立ち上げ、保健所と県立医大の指導を受けながら、院長はじめ全職員で抑え込みに挑む。事務職員たちも発生後に止まった清掃、リネン業者たちの業務を担う。「日赤も済生会もそうだった。コロナは怖い病気。医療者の体と心を食らい尽くす」と病院事務長。
一方、国見と桑折のワクチン接種は、予定どおり続ける。地域医療の中核としての矜持と使命感から。今の彼ら、彼女らを支えているのは、この2つなのだろう。院内現場の壮絶さを思いながら、どうか持ちこたえてほしいと心を贈る。
新型感染症は、細心を払っていても罹ることがある。アイツらは手強い。ならば私たち行政と病院は、退かない、諦めない。
※2月28日から通常体制での診療を再開しました。
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