お話ししてくれた方
「つながる〜む」スタッフさん
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「つながる〜む」スタッフさん
窓越しに中を見てみると、木の天井、壁、床、それに木でできた数々のおもちゃ。ここは2017年にオープンした「道の駅国見あつかしの郷」に併設しているこども木育広場「つながる〜む」だ。
「つながる〜む」を利用できるのは、未就学児の子どもがいる親子。平日も土日も開いており、利用は無料だ。遊びに来るのはやはり町内の親子なのだろうか。「町内に住む方はもちろん、近隣の市町村から来る方も多いんです」とスタッフさんが話してくれた。
「利用してくれたママさんから聞いたのですが、福島県外には「つながる〜む」のような無料の施設があまりないそうなんです。あったとしても有料だし、土日はやってない施設も多いようで。はじめて来た方に利用料がかからないことを伝えると、みなさんびっくりされますね」
原発事故後、福島県内には屋内で遊べる施設が多くできた。その中でも「つながる〜む」が他と違う部分は「木育」に力を入れていることだろう。
「木って使えば使うほど味が出やすくて、壊れても比較的直しやすい。そういった特徴のある木に囲まれた場所で子どもたちが遊ぶことで、「モノを大切にする」気持ちを育むことができると思っています。それに、やっぱり自然のものに触れる良さもありますよね。自然のものに触れることで嗅覚や触覚などに刺激を与えられるので、五感を育てることにもつながっているんじゃないでしょうか」
「ここは遊び場でもあり、子育て支援施設なんです。月に 2 回、育児サークルを開催しています」
「写真見てみますか?」というスタッフさんの言葉に「ぜひ!」と答えると、アルバムを持ってきてくれた。
アルバムをめくると「つなが〜む」の一角に飾られたハロウィンやクリスマスのフォトスポットの前で、満面の笑みをうかべる親子の写真がいっぱい。毎年イベントごとに、スタッフさんたちがすべて手作りでフォトスポットを作ってるのだそう。仕事の空き時間などにスタッフみんなでコツコツと作業し、約一ヶ月かけて作成。限られた時間で完成させるのは大変だが、「親子の思い出をつくってもらえたら」との想いから続けているのだそう。
「撮影会に参加してくださった方の中には『写真館に来たみたい』なんて言ってくださる方もいるんです。屋台のフォトスポットは『コロナで夏祭りに行けない』っていう声をママさんから聞いたので、せめてお祭りに行ったときのような写真を撮れるようにしてあげたいという想いでつくりました」
アルバムをめくっていると、お父さんがお子さんと写っている写真が目に入った。
「『子どもを週末見てて』ってママさんに頼まれてこの場に来るパパさんもいらっしゃいますね。子どもとおもちゃで遊んでいる姿を見ていると、意外とパパさんの方が夢中になっていることもあります」
子どもも大人も時間を忘れて楽しめるのは、スタッフがあたたかいまなざしで子どもを見守ってくれているという安心感からだろう。
未就学児の子育て中は親と子だけで過ごすことが多く、孤独になりやすいと聞いたことがある。そんな心身ともに疲れが溜まりやすいときに、「つなが〜む」に行き子育てを共有することができれば、不安を解消できる親はたくさんいるのではないだろうか。
「子育ては、親だけがするものではなく、周りにいる人みんなでするものとして捉えてもいいと思うんです。そうすれば孤独感を抱いている親は『ひとりじゃない』と気づくことができます。『つながる〜む』に来て、他の親や私たちスタッフに子育ての悩みを相談してもいいし、愚痴をこぼしてもいい。子育て中の方にとって、ここに来ることで『つながり』ができて、少しでも気持ちが楽になるような場所になってくれたら嬉しいです」
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